KAZE

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2,400mm x 2,400mm x 2,400mm, ミクストメディア;鉄+サーキュレーター+LED

泉涌寺大佛殿[重要文化財], 日本
2023.12.17 - 2023.12.25


一辺2,400mmの立方体の支持体、支持体に吊り下げられたそれぞれ567枚と666枚の鉄製のプレートから構成される音響彫刻作品。
風が通り抜ける瞬間、プレートで形作られた蓮華が荘厳な音を響かせる。

「明日は明日の風が吹く」という諺がある。古来から過去と現在、そして未来は非線形であり、時折人間の意識や能力より無意識や人智を超えた存在を重んじることが良いと考えられてきた。
現代では風とは大気圧の変化によって生じる自然現象と定義される一方、眼で観測できず予測することが難しいエネルギーの抽象概念として捉えられている。

風によって揺れ動き、接触することで発音される音具を風鈴というが、風鈴は起源を発する中国では占いの道具として、仏教とともに渡来した日本では魔除けや厄除けとして機能していた。風鈴の音が聴こえる範囲は聖域とされていたのである。

風は時間と空間、意識と無意識、物質と非物質の次元を越境する。

設計・構造指導、金物制作: 金子浩大(金子軽窓工業株式会社)
シミュレータープログラム制作: 中田拓馬
サーキュレーターコントロールデバイス・システム制作: 瀧本花乃介
書・制作サポート: 國本里沙
制作サポート: 工藤優
リサーチ協力: 粕賀廣彦
写真・映像: 山根香